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NBA

“静かなる英雄”アレクシー・シュベド。かつてNBAにも挑戦した欧州No.1シューターのバスケキャリアに迫る

小川由紀子

2020.11.08

 前述の元チームメイト、ノベル・ブーング・コロは、シュベドを欧州No.1シューターに挙げたが、その理由を彼はこう語っている。

「強力なチームメイトがいることで多く得点できる選手は多い。しかし彼は違う。仮に1対5の状態になっても、彼はたった1人で、チームのために得点を奪ってくれる。だから凄いんだ」

 得点もアシスト数もチームNo.1。ディフェンス面は傑出しているとは言い難く、NBAキャリアが短命に終わった原因はこのあたりにもあるのだろうが、彼はまさにチームの心臓と言っていい。そして、チームのために自分の能力を生かすことを最大の喜びとする“尽くし型”でもある。

 今季フロントコートに加わったグレッグ・モンロー(元デトロイト・ピストンズほか)、昨季加入したヨナス・ジェレブコ(元ピストンズほか)の元NBA組をはじめ、ロースターにはなかなか強力なメンバーが揃っている。開幕5連敗と出遅れたが、シュベドも復帰したここから挽回したいところだ。
 
 NBAでの経験は、バスケットボール選手として、彼にとってかけがえのないものとなったのは間違いないが、もうひとつ、シュベドがアメリカで手にした産物がある。“マカロニ&チーズ”だ。

 茹でたマカロニにチーズソースをからめて、こんがりと焼いたアメリカの国民食。彼はアメリカからの帰国後、マカロニ&チーズの専門店『MAC & CHEESE』をモスクワ市内のフードコートに出店した。

「アメリカではみんながこれを食べていた。それにマカロニやパスタはすぐにエネルギー源になってくれるから、試合前に食べるのにもぴったりなんだ」

 “静かなる英雄”シュベドを表現するなら、そんな言葉だろうか。トロフィーの数には表われていないが、ロシア代表でもヒムキでも、彼がコートにいるとワクワクする。彼は、観る者をそんな気にさせてくれるプレーヤーなのだ。

文●小川由紀子

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