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国内テニス

「こんなにテニスって楽しかったっけ?」無観客マッチでプロたちが感じた試合への渇望とこれからの在り方

久見香奈恵

2020.07.22

無観客マッチを経て、テニスの試合への渇望と、今だからできることを模索していこうという気持ち新たにした江原(左)と田沼。(右)写真:山崎賢人、茂木あきら(THE DIGEST写真部)

無観客マッチを経て、テニスの試合への渇望と、今だからできることを模索していこうという気持ち新たにした江原(左)と田沼。(右)写真:山崎賢人、茂木あきら(THE DIGEST写真部)

「とにかく同じように世界で戦っているプロと試合がしたかった。そしてこのコロナ禍でもテニス競技は大会ができるということを示したかった」

 そう声を揃えるのは、プロテニスプレーヤーの田沼諒太と江原弘泰。両者とも無観客マッチ「3vition プロテニス無観客オープン」に参戦した2人だ。「3vition プロテニス無観客オープン」とは3人のプロ選手が集い、4ゲーム、3セットマッチを行なうエキジビションマッチ。試合はすでに終えており、現在有料noteでその様子を配信している。

 3月末から主戦としているITF大会がなくなり、力を発揮する場所を失った田沼は、目標が見えにくい練習の日々に悶々と薄暗い気持ちになりかけていたという。そんな時、高校の先輩である斉藤貴史に誘われ「3vitionプロテニス無観客オープン」の提案を聞く。

 試合中に戦っている当人のインタビューが聞けることや、作戦をカメラの前で披露しながら戦うスタイルの内容に「面白そうだな」と即座に参戦を決めた。同じく江原も斉藤からのオファーに快くOKを出し、カメラの向こう側にいるファンに試合を見てもらえる刺激を渇望したという。
 
 久しぶりの緊張感のなか、ライバルたちと勝負ができる。江原は、ゲームが始まると試合勘が鈍り瞬時の状況判断が遅れていることを感じながらも、「こんなにテニスって楽しかったっけ?」と戦う喜びが身体を走り抜けた。

「勝っていても負けていても、こうしてテニスができるだけで、こんなに全身からエネルギーがでるんだと驚きましたよ。試合中のインタビューも、結構素直に相手を倒す方法や自身の作戦の修正部分を話しています。貴史を倒すなら、こうするって…」

 3人のなかで最年少24歳の田沼は、とにかく練習でチャレンジしていることをプロ同士の試合で落とし込める絶好のチャンスと没頭した。その中でのエンタメ部分に関しては、実戦とは違う試みに良い経験ができたと言う。

「テレビで見る試合は解説者が選手の気持ちや考えを予想して発言してくれるけど、この大会は試合をしている本人が話すので、作戦面などをよりリアルに知ってもらえることから観戦者にも楽しんでもらえるんじゃないかなと思いました」
 

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