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モータースポーツ

「ライバル車のいいとこ取り」アルファタウリの2022年型車に複数メディアが好印象!一方でチームTDは「リスクを伴う」

THE DIGEST編集部

2022.02.17

角田とガスリーが駆るアルファタウリの新型車は期待が持てそうだ。(C)Getty Images

角田とガスリーが駆るアルファタウリの新型車は期待が持てそうだ。(C)Getty Images

 2月14日に2022年型マシン「AT03」を発表したアルファタウリ。新たなレギュレーションにより、グランドエフェクトでダウンフォースを得る空力コンセプトに合わせた新車は、当然ながら昨季までのものとは見た目にも大きな違いがある。

【関連動画】アルファタウリが公開した2022年型マシン「AT03」のエンジンサウンド

 スペインのデジタル新聞『El Confidencial』は、イタリア・ファエンツァに拠点を置くチームの新たな車について、「今季より登場する『ヴェンチュリー効果』(狭い場所では流速が上がることで気圧が下がり、ダウンフォースを生み出す)が、サイドポンツーンにしっかりと表情を見せている」と綴り、「エアインテークが非常に高く、アグレッシブで審美的。魅力的なサイドデザインとデコレーションを組み合わせている」と高評価。また、特徴として「ライバルとは一線を画すデザインである」とも強調した。

 今季の最大の注目点である「ヴェンチュリートンネル」では、入り口に数枚のフィンを設けて気流を整えようと工夫がなされており、「内部気流と最大速度、ダウンフォースを最大限に生み出すために設計されたように見える」と、ここでもポジティブに綴られている。

「サスペンションではフロントにプッシュロッド、リアにプルロッドを採用し、それぞれが空気の流れに好影響を与える」というAT03について、同メディアは「(すでに新車を発表している)マクラーレンやアストンマーティンとは異なるアプローチをとっており、どれが最も効果的であるかを探り、改善し、最良の道に方法を見つけ出すという仕事が各チームには待ち受けている」「ただ、機能する方法はひとつではなく、また空力以外に18インチの新タイヤによってパフォーマンスが引き出されるケースもあり得る」と指摘した。

 英国のモータースポーツ専門メディア『THE RACE』は、AT03を「アストンマーティンとマクラーレンの良い部分を組み合わせたような“いいとこ取り”のデザイン」として、こちらも「期待できる」とポジティブに捉えており、「実際にコースを走れば、空力デバイスがどのような効果を生み出すかなど、チームは全く新しい学習曲線を辿ることになるだろう」と予想する。
 
「幾つかの変更を強いられるかもしれないが、そこから進化を遂げれば、適切で整ったパッケージとなる可能性がある」と同メディアがポジティブに展望したアルファタウリ。ただ、一方で「レッドブルとのミックスにより、近年の良いフォームを維持できるかが疑わしい」という懐疑的な見方もあり、予算上限の引き下げが中規模チームに悪影響を与える可能性も否定はできない。

 テクニカルディレクターのジョディ・エギントンは「我々は過去2、3年で車の開発のプロセスを確立し、それを今回も適用した。昨季もかなりの成功を収めており、正しい軌道に乗っていると思う。しかし、今季に関しては白紙の状態からのスタートでリスクも伴っている。車の開発スピードもさることながら、それよりもライバルと比較してどれだけ進んでいるかということの方が重要だ。その答えは最初のレースまで知ることができない」として、今季が全く予測不可能なものであると強調している。

 果たして、技術スタッフの努力が報われる形で、AT03が高いポテンシャルを秘め、新シーズンでピエール・ガスリーと角田裕毅のドライバー2人によって好パフォーマンスを発揮することができるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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