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競馬

フォーエバーヤングが世界最高15億円を獲得できたワケ。驚異的な二の脚を引き出し、奇跡的な逆転勝利を手繰り寄せた鞍上の見事すぎた手綱さばき【サウジC】

三好達彦

2025.02.24

フォーエバーヤング(左)が激しいマッチレースを制し、賞金15億円を獲得した。(C)Getty Images

フォーエバーヤング(左)が激しいマッチレースを制し、賞金15億円を獲得した。(C)Getty Images

 日本時間の2月23日早朝、世界最高賞金レースとして知られるサウジカップ(G1、ダート1800m)がサウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で行なわれ、日本から参戦したフォーエバーヤング(牡4歳/栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。1着賞金1000万米ドル(約15億7000万円)を獲得した。
【動画】香港最強馬と激熱なマッチレース…一騎打ちを制したのはフォーエバーヤング!

 昨年のサウジカップミーティングではサウジダービー(G3、ダート1600m)を圧勝して世界に名を売ったフォーエバーヤングが、同じキングアブドゥルアジーズ競馬場で大仕事をやってのけた。

 当初はシエラレオーネ(Sierra Leone/2024ブリーダーズカップ・クラシックほか)、ホワイトアバリオ(White Abarrio/2023ブリーダーズカップ・クラシックほか)など米国の強豪が参戦する予定だったものの、これが次々と出走を回避。また、直近になって地元サウジアラビアのローレルリバー(Laurel River)も出走を取り止めることに。勢いレースの主役は、昨年のケンタッキーダービー、ブリーダーズカップ・クラシック(GⅠ)でともに3着に食い込んで、ワールドベストホースランキングのダート部門で世界3位タイの評価を受けたフォーエバーヤングが押し上げられる格好になった。
 
 比して対抗格と見られたのは、昨年の安田記念(GⅠ)に参戦し、圧勝を遂げた香港のスーパーホース、ロマンチックウォリアー(せん7歳/香港・D.シャム厩舎)。先にUAE・ドバイへ入って臨んだ1月末のジェベルハッタ(G1、メイダン・芝1800m)を快勝し、ついにG1レース10勝という大台に乗せて、7歳になった今年もまったく衰えがない意気軒高ぶりをアピールしていた。

 ただし問題が無いわけではない。彼にとって今回のサウジカップがダート初挑戦となるからだ。一昨年に日本のパンサラッサが逃げ切り勝ちを収めているように、芝を主戦場としている馬の勝利、好走例もしばしばみられるので、「ロマンチックウォリアーほどの力量があれば問題ないのでは」とする意見が多かった。しかし一方、芝のレースとは比較にならないほどのキックバックを浴びせられた際にどうなるかは未知数と、慎重な見方をする向きもあった。

 果たしてレースは、日本と香港のエース同士そのプライドをかけてまともぶつかり合う、歴史的な激闘となった。
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