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男子バレー『NEXT4』の現在地。アイドルプレーヤーから本格派への着実な進化

北野正樹

2021.01.09

 その後、石川は大学時代に短期留学したイタリアセリエAでプレーし、柳田もサントリーに就職したものの、2シーズンでプロ宣言しドイツに旅立った。

 ようやく人気と実力を兼ね備えたのが、一昨秋のワールドカップ。常に世界のレベルでプレーしてきた2人の活躍もあり、メダルは逃したものの4位に入り、2020年東京五輪に希望をつないだ。

 大学生だった3人のうち、石川はセリエA6年目の今季、日本人選手として初めて通算1000得点を挙げるなど、着実に地歩を進めている。山内はパナソニック、高橋は東レとV1リーグの強豪チームに入団し、こちらもチームの主力メンバーとしていなくてはならない存在だ。

 そんな中で、この5年間で最も環境を変えているのが柳田だ。サントリー・サンバーズ入団2年目の2017年にプロ宣言し、海外挑戦を発表。ドイツ、ポーランドを経て再びドイツでプレー。コロナ禍で昨年3月に帰国し、6月に古巣・サントリーに復帰。4年ぶりにVリーグに活躍の舞台を移した。年内の12試合で10勝2敗、28ポイントで3位につけているチームを、プレーだけでなく言葉と態度で引っ張っている。
 
 柳田をサントリー入団当時から知る関係者が声をそろえるのが、高いプロ意識だ。練習に妥協はなく、オーバーワークを心配した山村宏太監督が「もう止めておいた方がいいんじゃないか」とセーブするほど。「もっと練習をしたいから、付き合ってくれ」とチームメートにかけた言葉に触発され、練習量を増やす選手が自然と多くなってきたという。

「マサ(柳田)がまだ練習が必要だと思っているのに、試合に出ない控え選手がそれでいいのか、と考えるきっかけを作ってくれている」と山村監督。

 サントリーに復帰した理由も、彼なりのプロ意識。「在籍中はチームに貢献できず、海外に行っても常に声をかけてもらっていた。日本で戻るならサントリーしか考えなかった。それが僕のプロとしての矜持」と言い切った。

 言葉にも妥協はない。「コート上で、白黒をつけなくてはいけない時がある。そんな時には、はっきり言う」と柳田。一見きつく聞こえる表現は、言語も考え方も違う多国籍のためコミュニケーションを取り自己主張をしなければならない海外プロリーグで身に付いたものではない。

「選手の間に来たボールに触れることができずボールが落ちたら、日本なら互いに『ゴメン』で済ます。『そこのボールはとってよ。ここのボールはオレがとるから』と決着をつけることで試合中に改善できることがある。プロの評価はプレーで決まる。誰がとるボールなのか。自分のやる仕事で評価してほしい。そこにはグレーはないのです」と柳田。プロであるからこそ、プレーを正しく評価してほしい。その指摘をプレーヤーひとり一人が考えることで、さらにチームがレベルアップすることにもつながる。「声かけも含めて意識してやっています」と自分の役目を心得ている。
 

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