大学生投手は空前の大豊作と言われている今秋のドラフト戦線で、今、プロ野球から高い注目を集めているのが東洋大学のエース細野晴希だ。左腕からMAX150キロを超える抜群のポテンシャルを持ちながら、東都リーグの2部に甘んじていた未完の大器が、いよいよ真価を問われる勝負の舞台、神宮球場のマウンドに上がる。3年連続となる東都の修羅場・入れ替え戦で、細野はどんな姿を見せてくれるのか?
―――◇―――◇―――
春先の東洋大学硬式野球部合宿所の応接室。リラックスした雰囲気の会話の中で、細野に聞いたことがある。
「取材、嫌いでしょう?」
試合後のインタビュー取材の場で、たとえ勝ち試合であっても細野はあまり雄弁に語らない。だからこれまで彼の記事はあまり弾んだものを読んだ記憶がない。細野は慎重に言葉を選びながらこう答えた。
「別に嫌いとかじゃないんです。ただ、今の自分を“凄い”とか言ってほしくないんですよ。とくに『世代ナンバーワン』とか言われることに抵抗があって。以前はずっとそういうのが嫌で、負担というか、期待通りの結果を出さなきゃっていう変なプレッシャーがあって、すごくやりづらかったんです。僕、人の評価を気にしちゃうんですよ。結果が悪くて批判されるのは勝手に言っとけと思うんですけど、評価に対してプレッシャーを感じるんです」
今どきの若者にしては珍しい「褒められて伸びるタイプ」に属さない。「根拠のない自信って結構大事だとは思うんですけど、羨ましいですよね、自信持てる人って」と言う。投げているボールの凄さに対して、この自己評価の低さが、いささか不思議でもあった。
「3年生までの僕って、試合によってかなり波があったんです。完封することもあるけど、3回もたずに降板してしまう時もあって。そういうところでなかなか信頼を得られなかった。良い時を見て、みんな取り上げてくれていると思うんですけど、その良い時が続けられているわけじゃないし、悪い時との差が大きいので、そこには全然達していないなぁって気持ちです」
悪い結果は他責ではなく自責。野球を始めた子供の頃から、そういう教えを受けてきた。野手がエラーをしたら「投げるテンポがよくない」、打線が打てなかったら「お前のリズムの悪さの影響だ」と言われた。だから良いピッチングをして0-1で負けたら、「自分の投げるリズムが良かったら勝てたのかも」と、逆に1-0で勝っても、「もっと楽に勝てたんじゃないかな」と考えるようになった。
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春先の東洋大学硬式野球部合宿所の応接室。リラックスした雰囲気の会話の中で、細野に聞いたことがある。
「取材、嫌いでしょう?」
試合後のインタビュー取材の場で、たとえ勝ち試合であっても細野はあまり雄弁に語らない。だからこれまで彼の記事はあまり弾んだものを読んだ記憶がない。細野は慎重に言葉を選びながらこう答えた。
「別に嫌いとかじゃないんです。ただ、今の自分を“凄い”とか言ってほしくないんですよ。とくに『世代ナンバーワン』とか言われることに抵抗があって。以前はずっとそういうのが嫌で、負担というか、期待通りの結果を出さなきゃっていう変なプレッシャーがあって、すごくやりづらかったんです。僕、人の評価を気にしちゃうんですよ。結果が悪くて批判されるのは勝手に言っとけと思うんですけど、評価に対してプレッシャーを感じるんです」
今どきの若者にしては珍しい「褒められて伸びるタイプ」に属さない。「根拠のない自信って結構大事だとは思うんですけど、羨ましいですよね、自信持てる人って」と言う。投げているボールの凄さに対して、この自己評価の低さが、いささか不思議でもあった。
「3年生までの僕って、試合によってかなり波があったんです。完封することもあるけど、3回もたずに降板してしまう時もあって。そういうところでなかなか信頼を得られなかった。良い時を見て、みんな取り上げてくれていると思うんですけど、その良い時が続けられているわけじゃないし、悪い時との差が大きいので、そこには全然達していないなぁって気持ちです」
悪い結果は他責ではなく自責。野球を始めた子供の頃から、そういう教えを受けてきた。野手がエラーをしたら「投げるテンポがよくない」、打線が打てなかったら「お前のリズムの悪さの影響だ」と言われた。だから良いピッチングをして0-1で負けたら、「自分の投げるリズムが良かったら勝てたのかも」と、逆に1-0で勝っても、「もっと楽に勝てたんじゃないかな」と考えるようになった。
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