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プロ野球

ついにベールを脱ぐ元サイ・ヤング賞投手トレバー・バウアー。トラッキングデータから探る「長所」と「弱点」<SLUGGER>

大南淳【DELTA】

2023.05.02

 ただ、そんなバウアーにも弱点はある。先ほどバウアーは「速球と、利き手とは逆方向に曲がる球で打ち取る投手」と紹介した。この、利き手とは逆方向に曲がる球は、右打者からすると逃げていくように変化するため、コンタクトが難しい。一方、左打者からすると外から入ってくる軌道になるため比較的対応しやすい。

 こうした球種の特性ゆえか、バウアーは左打者を苦手としている。2021年は右打者に対し35.9%の割合で三振を奪ったのに対し、左打者への値は27.4%にとどまった。左右で大きな違いが出ている。

 そしてこの偏りはバウアーがボールにスピンをかける能力が高いことにも起因する。右投手が左打者と対戦する際に有効なシンカーやチェンジアップといった逃げる球は、実はスピンをかける能力が高い投手ほど苦手とする傾向があるのだ。バウアーは2シームも投げるが、スピンが秀でているがゆえに平均的な投手の4シームのような変化をしてしまう。スピンをかける能力が、実はデメリットも生んでいるのだ。
 ただ、頭に入れておくべきは、左打者が苦手といっても、それはあくまで「バウアーの中では」である点だ。対左打者の奪三振割合27.4%はMLB平均(23%前後)よりはるかに上。左打者を並べたからといって攻略が容易になるわけではない。「強いて挙げるなら」というだけで、基本的に攻略が極めて困難な投手であることは間違いない。

[1]データはFangraphsを参照
[2]トラッキングデータはBaseball Savantを参照
[3]ここでの平均はバウアーに似た球速、リリースポイントのボールに比べての平均を指す

文●DELTA(@Deltagraphs/https://deltagraphs.co.jp/)

【著者プロフィール】
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。

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