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NBA

ハズレ年に挙げられるも、ケンプ、ハーダウェイ、ディバッツら11位以下に魅力的な才能が集結。豪華トリオが結成していた可能性も!【NBAドラフト史:1989年】

大井成義

2020.03.27

14位指名のハーダウェイは、“キラークロスオーバー”でディフェンダーを手玉に取り一躍人気選手に。(C)Getty Images

14位指名のハーダウェイは、“キラークロスオーバー”でディフェンダーを手玉に取り一躍人気選手に。(C)Getty Images

■ブルズの英断があれば、MJとあの高速PGがともにプレーしていた?

 過去のNBAドラフトを仔細に調べていると、ドラフトが終了するまで(もしくは終了後もしばらくは)口外されなかった秘話的なネタによく出くわす。他チームとの駆け引きが重要なポイントとなるイベントだけに、当然といえば当然だが、たまに今までまったく知らなかった意外な情報に出くわしたりして、「へえ、そうだったんだ」などとひとり頷きながら、夢の選手の組み合わせを想像し、ついつい「タラレバ」の世界に浸ってしまうことがある。

 もちろん、選手同士の相性やチームのプレースタイル、サラリーキャップなど現実的な問題はあろうが、それらを取っ払ったうえで夢想するのも一興だ。今回採り上げた1989年のドラフトにも、もし実現していたら後のNBAに大きなインパクトを与えていたであろう、そして想像しただけで頭がクラクラしてくるような、思いがけない「タラレバ」がいくつかあったので紹介しよう。
 
 1巡目に3つの指名権を持っていたブルズは(6、18、20位)、最初のふたつでポイントガード(PG)とパワーフォワードの獲得を考えていた。とりわけPGについては、前シーズンに先発を務めていたサム・ヴィンセントを新設チームのマジックにエクスパンション・ドラフトで引き抜かれたため、絶対的エースであるマイケル・ジョーダンの新たな相棒の獲得が急務だった。

 ジェリー・クラウスGMが狙いを定めていたPGは、テキサス大エルパソ校4年のティム・ハーダウェイ。1巡目での指名が予想されていたものの、トップ10入りが見込まれるほど高い評価は受けていなかった。

 そして迎えたドラフト当日、6位の指名順が回ってくる。ブルズ首脳陣は迷いに迷った末、5位までスルーされていたフォワードのキングを指名し、ハーダウェイが18位まで残ってくれることを祈った。だが、14位でゴールデンステイト・ウォリアーズにさらわれてしまう。そこでブルズは、残っていたBJ・アームストロングの獲得に至ったのだった。

 もしあの時、6位でハーダウェイ指名に踏み切っていれば、その見返りは莫大なものになっていただろう。ジョーダン、スコッティ・ピッペン、そしてハーダウェイ。上手く機能するかどうかは別にして、とびきり大きな可能性を秘めた豪華トリオであることは間違いない。この3人による超絶ファーストブレイクを想像しただけでワクワクしてくる。

 トライアングル・オフェンスにはジョン・パクソンやアームストロングのほうがフィットしていたと思うが、ひと味違った、よりエキサイティングなジョーダンズ・ブルズを見ることができていたかもしれない。
 
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